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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

線上閱讀林 芙美子《新版 放浪記(しんぱん ほうろうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,330 字 · 497 頁

青空文庫

楽隊は鳴りひびく。風はまことに涼やかで、私のおっぱいが一貫目もあるほど重い。感性の気違い。一目みただけで、この娘、売物と云う表情をしている、安来節の看板に凭れて休む。何とも陽気な只ならぬ気配で、床をふみならす音、口笛を吹きたてる群集。あらえっさっさアのソプラノ合唱。日本の歌は原始的で、肉体的だ。のぼせあがっている。何もかもすべて、すべてがのぼせあがっている。

鯉のぼりのようなのぼせかただ。たしなみのいいずぼんをはく事がきらいで、下帯一つで歩いている。もともとは原始民族なのだけど、一寸かぶれて火ぶくれをおこして来たのだ。

かんたんな火ぶくれなのよ、ねえ、塗り薬でかためて調法であろう……。苦悩を売りものにしてみたところで、もともと偽の文明。第一イルミネーションの光りの方がむじひだ。皮を剥いだ、底の底まで見透せる妙な光りかたである。美人が少しも美人にはみえない。光りの空、息苦しい光彩の波の中に、人はひしめきあっている。私もひしめきあっている。

なるほど、日本は黄金島!

*

(七月×日)

山のように厚いノートはないものか、枕のようにでっかいノート。