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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
連中が出ていってしまってからも私はトホンとして火鉢のそばにいた。生ている悩みを、彼女も思いしったのであろう。種々な、細かしい煩ささが彼女を取巻いたのを、正直でむきな心はむしゃくしゃとして、共にありし日が恋しくて堪えられなくなったのであろうと思うと、気がさものばかりが知るわびしさと嘆きを思いやり、同情はやがて我心の上にまでかえって来た。
抱月氏のおくやみにいったのも、月はかわれど今夜とおなじ時刻だと思いながら、偶然におなじ紋附きの羽織を着て来たことなどを気にして芸術倶楽部の門を這入った。秋田氏に導かれて奥の住居の二階へといった。抱月氏のおりには芸術座の重立った人はみんな明治座へ行っていたので、座員の一人が、
「松井が帰りましたら申伝えます」
と弔問を受けたが、いるべき人がいないので淋しかった。それがいま、突然の死に弔らわれる人となろうとは夢のようだと思いながら案内された。旧臘解散した脚本部の人たちの顔もみんな見えた。誰れもかれも落附かないで、空気が何処となく昂奮していた。
居間の前へくると杉戸がぴったりと閉切ってあった。室内では死面をとっているのであった。