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かえるのゴムぐつ

新編風の又三郎

宮沢 賢治

線上閱讀宮沢 賢治《新編風の又三郎(かえるのゴムぐつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,031 字 · 84 頁

青空文庫

ああ、されども、されども、とられた者は又別じゃ。何のさわりも無いものが、とや斯う言うても、何にもならぬ。ああ可哀そうなことじゃ不愍なことじゃ。」

お父さんの梟は何べんも頭を下げました。

「ありがとうございます。ありがとうございます。もうきっとそう申し伝えて参ります。斯んなお語を伝え聞いたら、もう死んでもよいと申しますでございましょう。」

「いや、いや、そうじゃ。斯うも云うて下され。いくら飼われるときまっても、子供心はもとより一向たよりないもの、又近くには猫犬なども居ることじゃ、もし万一の場合は、ただあの疾翔大力のおん名を唱えなされとな。そう云うて下され。おお不愍じゃ。」

「ありがとうございます。では行って参ります。」

梟のお母さんが、泣きむせびながら申しました。

「ああ、もしどうぞ、いのちのある間は朝夕二度、私に聞えるよう高く啼いて呉れとおっしゃって下さいませ。」

「いいよ。ではみなさん、行って参ります。」

梟のお父さんは、二三度羽ばたきをして見てから、音もなく滑るように向うへ飛んで行きました。梟の坊さんがそれをじっと見送っていましたが、俄かにからだをりんとして言いました。