輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

りょしゅう

旅愁

横光 利一

線上閱讀横光 利一《旅愁(りょしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 576,941 字 · 1138 頁

青空文庫

あの絵の具という色で追求に追求を重ねた実物の半島――それ以来絵画を観念化せしめたその実物がそこにあった。

数十日の波と船と蛮地ばかりの熱帯とを通って来た矢代の足はこのときから少しずつ硬直し始めた。彼は太股を撫でながら日本人が文化が分るのどうのと云ったところで、それは全くわれわれ東洋とは違った文化だとそろそろ観念もし始めて来るのだった。

夕食のころになって矢代たちの一行は街へ降りレストランへ這入った。前には道路をへだて、夕日に輝いた海が淡紅色の水面をひたひたと道路の傍まで湛えていた。海へ下って来ているあたりの街には海草の匂いが立ち流れ、家の中の人人の顔まで照り返った夕日に染り、花明りによろめく蝶のような眩しさだった。店の客たちは海の方を向いたまま、牡蠣の貝にナイフをあて静かに舌をつけて楽しんだ。

「さアさア、フランスのパンが初めて食べられるぞ。」

と沖氏は揉み手をして笑った。この元気の良い老人もようやく疲れが出て来たらしく、椅子に背をぐったりよせかけて食事の支度の出来るまで動かなかった。

「いや、それより何より、先ずマルセーユの葡萄酒を飲もう。おい、葡萄酒。