輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うえの

日和下駄 一名 東京散策記

永井 荷風

線上閱讀永井 荷風《日和下駄 一名 東京散策記(うえの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,955 字 · 70 頁

青空文庫

ウェルレーンの詩集も亦カッフェーの光景を詠じた佳什に乏しくない。

昭和紀元の冬、銀座通に在ったカッフェーにして、殊に給仕女の粧の人目を牽いたものは、ライオン、タイガー、ギンブラ、バッカス、松月、孔雀の如き名を以て呼ばれた店である。此等のカッフェーの光景と給仕女の評判記に至っては現代の雑誌新聞の紙面を埋むる好資料である。既に「騒人」と称する文学雑誌の如きは、カッフェー特別号なるものを編纂し、文芸諸名士のカッフェーに関する名文を網羅して全冊を埋めていた。されば菲才僕の如きものが、今更カッフェーについて舛駁なる文をつくるのは、屋下に屋を架する笑いを招くばかりであろう。

僕は平生見聞する事物の中、他日小説の資料になるらしく思われる事があると、手帳にこれを書き留めて置く。一日の天気模様でも、月の夜に虹が出たり、深夜の空に彗星が顕れたりすると、之も同じくその見たままを書き留めて置く。これ等は啻に小説執筆の際叙景の資料になるのみならず、古人の書を読む時にも案外やくに立つことがある。僕は曾て木氷というものを見たことがあった。木氷とは樹木の枝に滴る雨の雫が突然の寒気に凍って花の咲いたように見えるのを謂うのである。