輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にちにちへいあん

日日平安

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《日日平安(にちにちへいあん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 28,297 字 · 56 頁

青空文庫

十郎太はあせった、けれども菅田平野はおちついていた。

かれらは陸田精兵衛を拉致し、居宅から書類を押収していった。これはなにが目的であるか、と菅田平野は考えた。菊井なにがしは「汚職の事実が暴露した」ともらしたそうである。たぶん自分たちの悪事を陸田城代になすりつけるつもりだろう、そうするにはいくつかの方法が想像される。「罪状湮滅を防ぐ非常の処置」とは、じつは罪状を城代に転嫁する工作で、最悪のばあいは自白書を強要したうえに、城代の命を縮める(自害という形式で)という手を使うかもしれない。そうだ、こんな思いきった手段をとる以上、そのくらいのことは予想しなければならない、と菅田平野は考えた。死人に口なし、もし精兵衛が強要されて自白書を書けば、かれらは精兵衛を生かしてはおかないだろう。いや、初めからそのつもりで「非常処置」なるものをとったのかもしれない。

――そうだ、たしかにそれに相違ない。

心の中で頷きながら、菅田平野は鼻毛を抜いた。右手の拇指と食指で、巧みに鼻毛を摘み、呼吸を計ってくいっと抜き、そうして大きなくしゃみをした。

「失礼しました」と菅田平野は云った、「――そこでうかがいたいのですが、井坂さんが奸物粛清をやろうとした計画と、その盟友の人数を聞かせてくれませんか」