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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
線上閱讀森 鴎外《日本の文学 3 森鴎外(二)(あべいちぞく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 68,545 字 · 140 頁
こう言って立ちそうにした。
母親は気の毒そうに言った。「どうぞ少しお待ち下さいませ。わたくしども三人がお世話になるさえ心苦しゅうございますのに、こんなことを申すのはいかがと存じますが、実は今一人連れがございます」
山岡大夫は耳をそばだてた。「連れがおありなさる。それは男か女子か」
「子供たちの世話をさせに連れて出た女中でございます。湯をもらうと申して、街道を三四町あとへ引き返してまいりました。もうほどなく帰ってまいりましょう」
「お女中かな。そんなら待って進ぜましょう」山岡大夫の落ち着いた、底の知れぬような顔に、なぜか喜びの影が見えた。
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ここは直江の浦である。日はまだ米山の背後に隠れていて、紺青のような海の上には薄い靄がかかっている。
一群れの客を舟に載せて纜を解いている船頭がある。船頭は山岡大夫で、客はゆうべ大夫の家に泊った主従四人の旅人である。
応化橋の下で山岡大夫に出逢った母親と子供二人とは、女中姥竹が欠け損じた瓶子に湯をもらって帰るのを待ち受けて、大夫に連れられて宿を借りに往った。姥竹は不安らしい顔をしながらついて行った。