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あべいちぞく

日本の文学 3 森鴎外(二)

森 鴎外

線上閱讀森 鴎外《日本の文学 3 森鴎外(二)(あべいちぞく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 68,545 字 · 140 頁

青空文庫

それは安寿の履であった。

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中山の国分寺の三門に、松明の火影が乱れて、大勢の人が籠み入って来る。先に立ったのは、白柄の薙刀を手挾んだ、山椒大夫の息子三郎である。

三郎は堂の前に立って大声に言った。「これへ参ったのは、石浦の山椒大夫が族のものじゃ。大夫が使う奴の一人が、この山に逃げ込んだのを、たしかに認めたものがある。隠れ場は寺内よりほかにはない。すぐにここへ出してもらおう」ついて来た大勢が、「さあ、出してもらおう、出してもらおう」と叫んだ。

本堂の前から門の外まで、広い石畳が続いている。その石の上には、今手に手に松明を持った、三郎が手のものが押し合っている。また石畳の両側には、境内に住んでいる限りの僧俗が、ほとんど一人も残らず簇っている。これは討手の群れが門外で騒いだとき、内陣からも、庫裡からも、何事が起ったかと、怪しんで出て来たのである。

初め討手が門外から門をあけいと叫んだとき、あけて入れたら、乱暴をせられはすまいかと心配して、あけまいとした僧侶が多かった。それを住持曇猛律師があけさせた。しかし今三郎が大声で、逃げた奴を出せと言うのに、本堂は戸を閉じたまま、しばらくの間ひっそりとしている。