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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
線上閱讀近松 秋江《日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,306 字 · 300 頁
そして女の祖父に当る人間が、彼女の父親の弟分にして、も一人他人の子を養子にしていたが、祖父が死に、今からざっと三十年も前に父親が一家を挙げて京都に移って来る時分に、所有していた山林田畑をその義弟の保管に任しておくと、彼はその財産を全部失くしてしまい、自分は伊賀の上野在の農家に養子に行って、なお存命である。ほかに兄弟とてなかった父方の親類といえば言われるのはそこきりで、血こそ繋がっていないが今でも親類づき合いをしているのであった。……それだけのことはたびたび母子の者から聴かされて自分も知っているが、その他に南山城に、不断親しい往来をしないでいて、突然金を貸してくれるようたところがありそうに思えぬ。
「へえ?……そんな親類があるのですか。伊賀の上野にはあると、あなた方から私もかねて聞いていたが」と、私が訝しそうにいうと、母親は、引ったくるような調子で、
「あんたはん、そんな委しいこと知らはりゃしまへん。そんな親類ありますがな」という。
「へえ? 何という親類です? やっぱり大河原の?」と重ねて訊くと、傍の男は、またそれを受け取って、
「自分で、藤村の親類で、やっぱり藤村利平という者だというとった。