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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

線上閱讀近松 秋江《日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,306 字 · 300 頁

青空文庫

そして母親や女主人の方で二人の間を堰くようにすればするほど三野村の方で一層躍起になってお園が花にいっている出先までも附き纏うて商売の邪魔になるようなことをしたりするのであった。

女主人は、それでも私が長居をしていろいろ話をしている間にいくらかこちらの心中がわかって来たようであったが、いくたびも澱むように私の顔をじっと見ながら、

「今やからあんたはんに言いますけど、真相はこうやのどす」といって、なお委しく話して聞かせたところによると、こうであった。

母親や女主人から、三野村のような男にいつまでも係り合っていては後の身のためにならぬと喧しくいうのと、お園自身でだんだんそれとわかって来て、その後自分の方からはなるたけ男に遠ざかるようにしていたのであった。するとちょうどそのころ初めて私と知るようになった。その年春の終りから夏の半ばまで三月ばかりもいて私が東京に帰ってからも引きつづき絶えず手紙の往復をしているうち、秋になって女から急に体の始末について相談をしかけて来た。もちろんそのことはこちらから進んでそうするつもりであったから、こちらでも必死になって金の工夫をしてみたけれどついに思うだけの金は出来なかった。