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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

線上閱讀近松 秋江《日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,306 字 · 300 頁

青空文庫

私はあんたもご承知のとおりあの年の夏の三カ月ばかり京都にいて東京に帰ったきり手紙と金とを送ってよこすだけで、てんで自分の体は来ないんですもの、私のために捫着が起る道理がないのです。みんなをいっていたのだ、だからこうして話してみなければ真相は分らない。それでいて私こそ好い面の皮だ。三野村自身のことでそんなに揉めているのとは知らず、言ってくるがままに身受けの金のことまで遠くにいてどれだけ心配してやったか。……私は何もあなたの方の迷惑になるようなことを初めから好んで彼女に勧めたわけじゃない。自分ではどこまでも穏便な方法で借銭を払って廃業させようと思っていたのです。それであまり火のついたようにいって強請んで来るからそうでもするよりほかにしかたがなかろうと思ったのです」

そういうと女あるじは幾らかこちらの事情も分ったように、

「三野村さんもずっと前に一度そんなことをお園さんに勧めたことがあったのどす。そんなことせられては私の方かて黙って見ておられんさかい、それでお園さんを長いこと三野村さんのお花にはやらんようにしてたのどす。そりゃあの人のことでは何度も揉めたことがあるのどす。