輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
線上閱讀近松 秋江《日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,306 字 · 300 頁
「じゃどこを歩くの?」
「どこってどこでも」
「そんなことをいったって仕方がない。お前はどこへ行きたいんだ」
「私はどこへも行きたかない」
「じゃ行くのが厭なの」
「いやじゃないさ」また怒ったようにいう。
「そうか。じゃもっと歩きいい静かなところをゆこうよ」私はまた横丁に曲りかけた。
「そっち厭!」
「じゃどっちだい?」
お宮のふてぶてしい駄々ッ児を見たような物のいい振りや態度に、私は腹の中でむっとなった。
「どっちでもゆくさ」
「だってお前、私のゆくという方は厭だというじゃないか」
そういって、私は勝手にずんずん人形町通りの片側を歩いていった。
そうして水天宮前の大きな四つ辻を鎧橋の方に向いて曲ると、いくらか人脚が薄くなったので、頬を抑えながら後から黙って蹤いて来たお宮を待って肩を並べながら、
「宮ちゃん、さっき君の家で階段の下に突っ立っていたあの丸髷に結った女は何というの」
私は優しい声をして訊ねた。
「だれだろう? 丸髷に結っていた。……家には丸髷の人多勢いるよ」
「そうかい。いいねえ丸髷。こう背のすらりとした。よく小説本の口絵などにある、永洗という人が描いた女のように眉毛のぼうっと刷いたような顔の女さ」