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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
線上閱讀近松 秋江《日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,306 字 · 300 頁
私も進まぬ朝飯を茶漬にして流しこんだ後は口も利かずに机に凭れて見たくもない新聞に目を通していた。
「わたし朝鮮に行ってしまうよ」と、また泣き声でいった。
私は、勝手にしろ。朝鮮にゆこうと満州にゆこうとこっちの知ったことじゃない。と思いながらも、
「朝鮮なんかへ行くのは止した方がいいよ。私がどうかしてあげるよ」と、優しくいった。
「あなたにどうしてもらったってしょうがない」
そういういい方だ。
私は素知らぬ振りをしてややしばらく新聞を読んでいた。
お宮は黙って考え沈んでいる。するとだしぬけに、
「あなた奥さんどうしたの?」そんなことをいった。
「うむ、どっかへ行ってしまった」
「もうどっかへ嫁づいているの?……柳沢さんそんなことをいっていたよ」
それを聴いて私はいよいよ柳沢が蔭でお宮にいろんなことをいっているのが見え透くように思われた。
「柳沢がどんなことをいっていた?」
私は思わず顔を恐ろしくしてきっとお宮を瞻った。
「うむ、何にもいやしないさ」怒ったようにいった。
私はますます気に障ったがそれでもなおじっと堪えて、再び口を噤んだ。
「あなた私が柳沢さんのところへいったらどうする?」