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にほんすいりしょうせつのまがりかど
日本推理小説の曲り角
十返 肇
線上閱讀十返 肇《日本推理小説の曲り角(にほんすいりしょうせつのまがりかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,901 字 · 6 頁
すなわち松本「真贋の森」、有馬「黒いペナント」、菊村「灰」、柴田「今日の男」の四篇である。いずれも一応の興趣をもって読み終えることができたが、すでにどの作家も推理小説に手がけた最初のころのような新鮮さを失い、あまりに古風な自然主義のなかに埋没せんとしつつあるか、週刊誌の要求によって多産した結果の水増しでごまかそうとしている気配である。そして、卒直にいうと、自己を模倣して、マンネリズムにおちいっているといえよう。「推理」の面白さはないではないにしても、ほかの夾雑物が多過ぎるのである。わずかに「黒いペナント」が、プロ野球を扱っていて現代の推理小説らしく今日の風俗を扱ってはいるものの、それだけの意味でなら「四万人の目撃者」がすでにあるし、殺人という題材の強烈さからいっても及んでいない作品である。同氏が「中央公論」(九月号)に発表している「葉山一色海岸」も、新しい境地を示すような作品ではない。
このような事情によって、二つの“曲り角”が、今日の推理小説には見受けられるのであるが、これを破るものとしては、まず新人に期待をかけるのが最も手取り早いであろう。そして「一本の鉛」