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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《日本橋(にほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 88,697 字 · 177 頁
泊れ、世話をしょう、荷なりと預ってやろうと、こう云うて下さいましたが、何、前後の様子で、私、尺を取りました寸法では、一時赫として手を上げましたばかり。さして意趣遺恨の有る覚えとてもござりませず、……何また、この上に重ねて乱暴をしますようなれば、一旦はちと遠慮がござりましてわざと控えましたようなものの、いざとなれば、何の貴女、ただ打たれておりますものか。向脛を掻払って、ぎゃっと傾倒らしてくれますわ。」と影弁慶が橋の上。もとより好む天秤棒、真中取って担ぎし有様、他の見る目も覚束ない。
附け景気の広言さえ、清葉は真面目に憂慮うらしく、
「でも、お年寄が、危いじゃありませんかね、喧嘩はただ当座のものですよ。一晩明かしてお帰りなさると可かったのにねえ。」
「はい、それに実は何でござります、……大分年数も経ちました事ゆえ、一時半時では、誰方もお心付の憂慮はござりませんが。……貴女には、何をお秘し申しましょう。私はその、はい、以前はやはりこの土地に住いましたもので。」
「まあ、」
「ええ……忰が相場ごとに掛りまして分散、と申すほど初手からさしたる身上でもござりませぬが、幽には、御覚えがあろうも知れませぬ、……元数寄屋町の中程の、もし、へへへ、煎餅屋の、はい、その時分からの爺でござりますよ。