輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 頁
――「もの」が限定された個々のものに現わるるとともにその本来の限定せられざる「もの」に帰り行かんとする休むところなき動き――にほかならぬであろう。我々はここでは理知及び意志に対して感情が特に根本的であると主張する必要を見ない。この三者のいずれを根源に置くとしても、とにかくここでは「もの」という語に現わされた一つの根源がある。そうしてその根源は、個々のもののうちに働きつつ、個々のものをその根源に引く。我々がその根源を知らぬということと、その根源が我々を引くということとは別事である。「もののあはれ」とは畢竟この永遠の根源への思慕でなくてはならぬ。歓びも悲しみも、すべての感情は、この思慕を内に含む事によって、初めてそれ自身になる。意識せられると否とにかかわらず、すべての「詠嘆」を根拠づけるものは、この思慕である。あらゆる歓楽は永遠を思う。あらゆる愛は永遠を慕う。かるがゆえに愛は悲である。愛の理想を大慈大悲と呼ぶことの深い意味はここにあるであろう。歓びにも涙、悲しみにも涙、その涙に湿おされた愛しき子はすなわち悲しき子である。かくて我々は、過ぎ行く人生の内に過ぎ行かざるものの理念の存する限り、――永遠を慕う無限の感情が内に蔵せられてある限り、悲哀をば畢竟は永遠への思慕の現われとして認め得るのである。