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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 頁
彼は慈悲を人間のものと仏のものとに明らかに分けた。そうして人間の慈悲心については言う――聖道の慈悲とは、物を哀れみ、悲しみ、はぐくむことである。しかしながら、人がこの世に生きてある限りは、いかにいとおし、ふびんと思う場合にも、心のままに他を助け切ることができない。――これこそ彼の強い人間愛のためいきであって、我々の心を深く動かさずにはいない。まことに我々は、いかに多くの苦しめる心を我々の周囲に感ずるだろう。そうしてその苦しみを救い得んがために――否、むしろ、救い得ざるがために、いかに自ら苦しむだろう。我々はこの苦しみをぬぐい去るべき方法を知らぬのではない。しかしその方法は、我々の愛の力の乏しさのゆえに、あるいは人の能力がある限度を超え得ないゆえに、我々のものとなることができない。この無力のゆえに我々の同情は、高まるに従ってより多くの苦しみを伴なうのである。しかしもし我々にして心に欲することを直ちに実現し得る無限の力を持ち得るとしたら、我々はいたずらに同情に苦しむよりも、この力量への道を急ぐべきではないか。ここにおいて親鸞は仏のものである慈悲を説いていう――浄土の慈悲はただ仏を念じ、急いで仏となって、その大慈悲心をもって心のままに衆生を救うのである。