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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 頁
のためにかつて仏を念じたことはない。なぜなら、第一に自分は自分の力で父母を助けることができない。第二に、一切の有情はすべて皆世々生々の父母兄弟である。――すなわち彼は、現世において、人として、父母の永遠の幸福を祈るのを無意義とするのである。道元もまた同じく「孝」についていう――在家の人は『孝経』等の説を守るがよい。しかし出家は恩をすてて無為に入ったものである。出家の作法としては、恩を報ずるに一人に限らず一切衆生をひとしく父母のごとくしなくてはならない。今生一世の父母を特別に扱い特別に廻向するのは仏意であるまい。父母の恩の深きことは真実に知らなくてはならないが、しかしまた余の一切も同様であることを知らなくてはならない(随聞記第二)。――すなわち慈悲の前には、特に「孝」と名づけられる徳の存在は許されないのである。
が、この種の一致は多く数えることができない。なぜなら親鸞の徳に関する言説はきわめて少ないからである。従って我々は弥陀の慈悲に裏づけられた道徳を知ることができない。それに反して我々は、人間の慈悲を説く道元において、熱烈なる道徳の言説を見いだすことができる。