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きゅうさく

旧作

上村 松園

線上閱讀上村 松園《旧作(きゅうさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,579 字 · 4 頁

青空文庫

「何々殿の息子の某はなかなかの才物で、年が若いに似ず四十歳くらいの才覚をもっている。あれは将来恐るべき仁になるに違いない」

すると利常公が、

「その者は今年いくつか」

と、きかれた。十八歳にございますと件の近習が答えると、利常公は、

「さてもさてもうつけな話かな。人はその年その年の分別才覚があってこそよきものを、十八歳にして四十歳の分別あるとは、予のとらざるところである。十八歳にして十三歳の分別しかなければ問題にしてもよきなるに、十八歳が四十歳の分別とは、さてさて困ったものじゃ」

利常公はそう言って、人間には、その時代その時代の年齢にあった力量こそ正しくもあり、人間として一番尊いものであることを近習にさとし――その十八歳の息子の取立てを断わられたという。

私はときどきそのことを憶って、

「さすがに加賀公はうまいことを申されたものである」

と、ひそかに感心するのでありました。

若い時の作品は、その年齢に適した絵であれば、それで十分に尊いものであるのです。

十五歳にして七十歳の老大家のような枯れた絵をかいたら、それこそおかしいし、そのような絵は、無価値であると言っていいのです。