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わせだかぐらざか

早稲田神楽坂

加能 作次郎

線上閱讀加能 作次郎《早稲田神楽坂(わせだかぐらざか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,407 字 · 46 頁

青空文庫

そしてカッフエその他の小飲食店も沢山軒を並べて、この辺はこの辺だけで又一廓の小盛り場をなすが如き観を呈しているが、ここまで来ると、その盛り場は最早純然たる早稲田の学生の領域である。私の同窓の友人で、かつてダヌンチオの戯曲フランチェスカの名訳を出し、後に冬夏社なる出版書肆を経営した鷲津浩君も、一昨年からそこに江戸屋というおでん屋を開いている。私も時偶そこへ白鷹を飲みに行くが、そののれんを外にくぐり出ると、真向の路地の入口にわが友水守亀之助君経営の人文会出版部の標木が、闇にも白く浮出しているのが眼につくであろう。仰げば近く酒井邸前の矢来通りに、堂々たる新潮社の四層楼が、わが国現代文芸の興隆発達の功績の三分の一をその一身に背負っているとでもいいたげな様子に巍然として空高く四方を圧し、経済雑誌界の権威たる天野博士の東洋経済新報社のビルディングが、やや離れて斜に之と相対しているが、やがてこの二大建築の中間に、丁度三角形の一角をなして、わが水守君の人文会の高層建築の聳え立たん日のあるべきを期待することは甚だ愉快である。

江戸川通りの発展こそは、わが牛込においては殆ど驚異的である。