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めいじてつがくかいのかいこ

明治哲学界の回顧

井上 哲次郎

線上閱讀井上 哲次郎《明治哲学界の回顧(めいじてつがくかいのかいこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,235 字 · 22 頁

青空文庫

それで流行の唯物主義、機械主義、功利主義等に反対して、絶えず理想主義の側に立ってたたかってきた次第である。

二 現象即実在論

哲学の側においてはつとに「現象即実在論」を唱道して、しばしばこれを『哲学雑誌』において論じたのである。実在論の種類は古来いろいろあるけれども、そのようなことはしばらくおいて、本体としての実在に関する見解は、だいたい三段階を経て進んできているのである。第一の段階は一元的表面的の実在論と名づけたならばよかろうと思う。これは現象そのものをそのまま実在と見る立場であって、素朴的実在論はこれに属するのである。これは実在論としてもっとも低級な立場であって、これをもって満足し得らるるものでないから、いくばくもなく現象と実在とを分割して、現象は表面のもの、実在は裏面のものとして、実在を現象の彼岸に在るものとして立する立場をとることになる。ちょうど舞台と楽屋のように表面裏面の二方面を考えて説くのである。現象が舞台なれば実在は楽屋である。これを二元的実在論といったならばよかろうと思う。この見方は前の一元的表面的実在論に較ぶれば、ずっと分析的に進んだ見方であるけれども、実在を空間的に考うるところに非常な誤謬がある。