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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 26,820 字 · 54 頁
それは後妻の子を後嗣にしようという土彦夫妻の陰謀だというようになった。ところが、ヒョウタンから駒がでるとはこのことで、これが真相をついているようなフシもあった。
それをビリビリ身にしみて感じたのは光子であった。少女の霊感と云おうか。世事にうといとはいえ、汚れなき魂の直感であった。光子には思い当ることが多かった。
去年の夏休みに光子ははじめて帰郷した。生れてはじめて邸内の隅々まで歩くことができたのである。彼女は兄の居室を見たときに叫びをあげるところであった。居間へ通じる廊下にはふとい樫の木の格子戸があって浮世の風をふさいでいるばかりでなく、風守の居室そのものが四方厚い壁や樫の木の厳重な格子戸にかこまれた座敷牢であったのである。
光子は思わず身ぶるいしたものだ。座敷牢の内部にはさすがに立派な床の間もあったし、違い棚や押入もあった。風守が育つにつれて用いたオモチャの数々がそっくりあったし、学習した書物もあった。学習の教師は英信の父の英専と、祖父直々であった。その二人のほかに近在に学のある者はいなかった。
風守の習得した書物は初歩から上京に至るまでそっくり積み残されており、風守が自ら手をいれた跡もハッキリ残っていた。