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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,372 字 · 67 頁
喜兵衛の葬式は充分に時間をかけて本場の木やりで気合をかけながら着々と念を入れてやったのだから、棺桶だってシナの上物に負けないのが出来ているが、全般の準備に較べれば、それぐらいは物の数ではない。
知人のもとに刷り物の死亡通知と葬式の案内状が発送されたが、そこには式の次第がちゃんと書いてある。それによると、喜兵衛が死んで生れかわるまでの順序は次のようになっている。
まず坊さんの読経があって、禅師が喜兵衛の頭をまるめ法衣をきせてやる。そこで喜兵衛は法体となり生きながら自分で歩いてノコノコと棺桶におさまる。
そこでトビのコマ五郎輩下の若い者が火消装束に身をそろえ、棺桶を担いで木やり勇ましく庭園内に葬列をねって、ダビ所に安置する。このダビ所はコマ五郎が輩下の大工を指図して年の暮から丹精こめて新築したもの。これに棺桶をおさめて火をかける。パッと火がもえあがったときにダビ所の扉を排して現れ出ずるは赤い頭巾にチャンチャンコ。生れかわった喜兵衛である。
これより葬式変じて還暦の盛宴となる。メデタシ、メデタシ、というダンドリだった。
こういう葬式だから、喪服の参列者が目につかないのは当然だが、その人々にまじって、ちょッと風俗の変った二人づれ。