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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 26,713 字 · 54 頁

青空文庫

この男は何かを偽っているに相違ない」

しかし、この時間には同時に成子もねていたのだ。そして彼女以外の女たちは、成子の疑問に答えてたちどころにこう証言したであろう。初老の鼻ヒゲ男は疑いもなくその時間には大イビキでねむっていた、と。むしろ成子がその時間に寝ていたことの方が人々には信じる根拠がない。十一時三十分にナミ子に叩き起されてから彼女が再びねたかどうかは誰も見ていやしないのだ。

新十郎一行は午すぎに到着した。

★

新十郎は一通りきいて、一通り見て廻って、一応概念をのみこんでから、もういっぺんテイネイに調べはじめた。

実に珍奇な蒐集品だ。ヨーロッパの品物もある。病人が蒐集品と病める身体とだけで一室にこもって余人をまじえずにカギをかけきって同居生活をしていた心境は異様なものではない。「来い」という合図にオルゴールを用いていたとは、ほほえましい思いつきだ。電気時代の今とちがって昔の呼びリンは伏せた鈴の上のポチを手でチンチンと叩くのが普通であったが、リンのポチを叩くことよりもオルゴールの方がカンタンだ。軽いフタをあければよい。四五分も鳴っている。