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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,755 字 · 62 頁
「いつぞや周信さんたちが凄い剣幕で家探しに現れたそうですが」
「そうでしたッけなア。そう。そうでしたなア。明朝大工とトビをつれてきて天井もハメもネダもひッぺがして人間の尻の穴も改めてやるから待ってろなんて、あの時は、私たちふるえあがりましたっけ」
「それはいつごろのことでしたか」
「さア、春さきの陽気になりかけたころ、三月か四月ごろかなア」
「小花さんの失踪後ですね」
「そうだね。小花はそのときは居りません。なぜってお互の尻の穴を心配し合ったのはたしかに私たち夫婦二人だけ。ほかにお尻がなかったんだねえ。ところが案じたほどのこともありませんでした」
「お尻の穴は無事でしたね」
「いえ、周信ほどの悪党が堅く約束しておきながら現れなかったのです。そしていまだに現れません」
「明朝の大捜査をふれにきたのは、周信さん一人なんですね」
「そうですよ」
「男爵と子供たち三人ぞろいで家探しにきて、あなたの懐中の三千円を奪って立ち去ったことがあるそうですが、それとは違う日のことなんですね」
「アア、そう、そう。いつか、たしか三千円とられたことがありましたよ。その日は寮へ越して間のないころ、たしかに覚えがありますよ」