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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,354 字 · 49 頁

青空文庫

フシギであるから、お槙をよび起して、戸を押し破ってはいってみると、藤兵衛は脇差で胸板を刺しぬかれて死んでいたのである。

戸が内側からカギがかかっていた。その密室で人が殺されているから、この謎は難物である。そこで新十郎をよびむかえることになった。

新十郎は例によって花廼屋因果と泉山虎之介の三人づれ。古田鹿蔵巡査の案内で、人形町へやってきた。

藤兵衛の傷は背後から背中を一刺しにしたものだ。ちょうど肝臓のあたりを刺しぬいて、切先が三四寸も突きぬけている。死体は脇差を刺しこまれたまま、こときれていた。脇差は藤兵衛の座右の品。この川木屋で刀といえばたッたこれが一本しか存在しない。藤兵衛は自分の刀で何者かに背後から刺し殺されたものだ。血の海であった。金庫はそのままで物を盗られた跡はない。

「十二時には、もう殺されていたのだなア。すると、宵の口に、やられたのだろう。客が来て、話をしている。ちょッと立った隙に、客が有り合せた脇差をつかんで背後から刺したのだろう」

虎之介がこう呟くと、花廼屋が笑って、

「そんなこたアどうでもいいのさ。カケガネが内側からかかっていたのがフシギじゃないか。