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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,336 字 · 47 頁
もっとも彼女が伴ってきた女中風の二十がらみの女は、この辺でよく見かける顔だ。日中殆ど毎日のように新開地をブラブラして、小屋の者ともナジミがあるが、どこの何者だか分らない。この二人づれが小屋の中へまぎれこむと、狂言作者の小山田新作が、どういうワケだか分らないが、美しい方の女に向って乱暴しようとした。人々に距てられ、女中風なのが彼女を抱くようにかばって、夢之助の楽屋部屋へつれこむ。この一座で自分の部屋を持っているのは座長と夢之助だけである。それから、どうなったか、みんな多忙をきわめているから注意している者もなかったが、二三時間後に、女中風の女の方が、奥さんはどこだろう、と方々ウロウロききまわっていたが、誰も女の行方を知っている者がなかったらしい。女中風の女はあきらめて帰ったようである。
午後になって、いつごろからか、一人の若い女がブラついていた。この女は先程の二人づれとは関係がないらしいが、キリッと美しい女で、年の頃は二十前後である。午後二時ごろ、荒巻敏司が現れて、夢之助の部屋へ行った。まもなく悲鳴が起ったが、人々がかけつけると、すでに女の姿はなく、荒巻が慌てて外套をぬいだり洋服をもんだりしていた。