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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,134 字 · 43 頁

青空文庫

カカリアイになるのが怖いから、特別の船をだしたがらない。松前行きの便船がでるまで待て、というので、一行は一ヶ月ほど塩竈の遊女屋に流連して便船を待った。もうヤケだった。召し捕るなり、殺すなり、勝手にしろ。刀をふりまわして死んでやるから。刀をひきよせ鯉口をきッて酒を浴びつづけている。遊女屋も疫病神とあきらめはしても、彼らが浴びるほどの酒を連日はだしきれない。そこで酒の徴発に差しむけられるのが正二郎であった。彼が酒屋へ行って、おとなしく頼んでダメの時は、一同が刀をぬいてサイソクに行くから、最後にはどこでも、だした。

彼らは塩竈の鼻ツマミ者になった。イタチ組が通るというと、町中大戸をおろして一時に人通りがなくなったそうだ。イタチ組というのは彼らのことである。彼らは江戸をたつころは河童隊と自称していたそうだが、奥州へ来て、妙なことに気がついた。河童の神通力には北限があるのである。南へ行くほど河童の神通力は絶大で、九州の伝説では孫悟空ぐらいの威力があるが、中国、近畿、中部地方と北上するにしたがって猪八戒以下になり、関東あたりから急速に下落して、奥州へくると、全然河童には神通力がない。