輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,522 字 · 46 頁

青空文庫

ヘッヘッヘ」

倉三の最後の笑いは、なんとなく未練がましくひびいた。

★

翌朝、倉三は帰国の旅についた。

そのあとで、水野家へどのような人が訪ねてきたか、物好きの草雪も一日見張りをつづけるほどの根気があるわけではないから、来客の姿を目で見たものはなかったのである。

なるほど夜になってから数名の声がきこえはじめたのは、酒宴のせいらしい。ケチンボーの左近はランプもローソクも用いずに、いまだにアンドンを使っていた。

酒宴は長くつづいて、いつまでもキリがなく人声がきこえてくるが話の内容は分らないし、果して酒宴の人声であるか、口論だか交驩だか、そういうこともシカとは見当がつけられない。酔っ払って唄をうたうようなのは一度もきこえなかったが、酒宴の事情が事情だから、唄のないのが自然であろう。もっとも、志道軒ムラクモというその道の専門家がいるから、この人物は親父の死に目やムシ歯の痛む最中でも唄って唄えない仁ではなかろう。左近の声だけは一度もきこえないが、地声が低いからきこえないのが当然だった。

隣家にあまり険悪な様子もないので、早寝の草雪は自然にねむくなって、いつのまにやらねむりこんで、翌朝、太陽が高くあがるまで目がさめなかった。