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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,522 字 · 46 頁
ミネが死んでいる部屋は全てがキレイに片づけられて、整頓されており、多数の人が泊ったあとは見られない。寝床は左近の奥の部屋に二ツしかれているだけだ。枕も各々に一ツずつ。どちらも一度は人がねたらしい形跡があった。
「おそくまで多勢の話声がしていたが。あの時刻から帰宅できるとすれば、近所に住む人々に限るようだが」
「多勢の客がいた跡がないのはフシギだね」
と、昨夜の意外な来客の様子が特に深く印象されている二人の隣人がいぶかりながら台所を通って出ようとすると、――あった。おびただしい食器類がタライの中にゴチャ/\つめこんであり、その中にはこのウチでふだん用のない筈のカン徳利もタクサンある。そして台所の片隅に一升徳利が三本もあった。
場所が近いので、結城新十郎は古田巡査の迎えに応じて直ちに出動した。
新十郎がビックリしたのは、抜身の刀が左近の屍体の附近にしこたま散らかっていることだった。散らかっている抜身のどの一ツにも新しい血の跡はなかった。新十郎は左近の部屋と、ミネの死んでいた隣室との唯一の通路たる厚い板戸をしらべ、板戸の左右、三尺ほどの高さにあるカンヌキをしらべ、そのほかに、左近の屍体のあたりの壁の上方に欄間があって、二寸角もあるようなガンコな格子がはまっているのに注意したが、その格子に手をかけて揺さぶると、それ