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せいざ

星座

有島 武郎

線上閱讀有島 武郎《星座(せいざ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 頁

青空文庫

その哀々の状諦観視するに堪えず。彼はたして那辺より来れる。思うに村人ことごとく眠り去って、灯影の漏るるところたまたま我が小屋あるのみ。彼行くに所なくして、あえてこの無一物裡に一物を庶幾し来れるにあらざらんや。庭辺一片の食なし。かりに彼を屋内に招かば、狂弟の虐殺するところとならんのみ。我れの有するものただ一編の文章のみ。文章は畢竟彼において何するところぞ。我れついに断じて窓を閉ず。翌、かの狗子命を我が窓下に絶ちぬ。

ああ何んぞ独り狗子を言わんや。自然の物を遇するすべてまさにこのごとし。我が茅屋の中つねにかの狗子にだに如かざるものを絶たず。日夜の哭啾聞こえざるに聞こゆ。筆を折って世とともに濁波を挙げて笑いかつ生きんとしたること幾度なりしを知らざるは、たまたま我が耿々の志少なきを語るものにすぎずといえども、あるいは少しく兄の憐みを惹くものなきにしもあらじ。しかも古人の蹟を一顧すれば、たちまち慚汗の背に流るるを覚ゆ。貧窮、病弱、菲才、双肩を圧し来って、ややもすれば我れをして後えに瞠若たらしめんとすといえども、我れあえて心裡の牙兵を叱咤して死戦することを恐れじ。