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えいがかい・こごとこうべえ

映画界・小言幸兵衛

小津 安二郎

線上閱讀小津 安二郎《映画界・小言幸兵衛(えいがかい・こごとこうべえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,616 字 · 14 頁

青空文庫

そこに批評の限界があると思う。

映画批評でも他人の作品については、なかなか云い得て妙だと同感しても、さて自分に鉾先が向けられてみると、なんて馬鹿なことを云う奴だということになる。批評家の批評はあまり参考にならないことが多い。仲間うちの批評が実際面に即して、一番有難いし、ずっと骨身にこたえる。

映画には、どこかに必ずしわ寄せがある。嘘がある。しわ寄せがなければ、劇ではなくてドキュメンタリーである。例えば、『彼岸花』で、佐田啓二が恋人と打ち合せをしないで、突然その父親に会いに行くところが、それである。これは現実では考えられないことだ。しかし、これがなければ、この映画は成り立たないのである。

もう一つ、例にとっては悪いが、映画の『氷壁』で、山本富士子は嘗てある男と一夜のまちがいを起したことになっている。映画を見ていると、山本富士子は絶対にまちがいなんか起す筈がないのだ。(その意味では、山本富士子はミスキャストだが)しかし、この映画はその有り得ない嘘の話からそもそも始まっているので、これをとがめたならば、この話は崩れてしまう。

こういうしわ寄せを突いてはいけないのだ。