輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しょうわのじゅうよねんかん
昭和の十四年間
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《昭和の十四年間(しょうわのじゅうよねんかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 35,356 字 · 69 頁
不安と焦燥の気分が文学界を満した。この雰囲気は、村山知義の「白夜」によって先頭をきられた一系列の作家の作品の出現によって愈々暗鬱なものとなった。転向文学という一時的な概括で云われたこれらの作品の特徴は、知識人としての作者たちが時代の中に経た生活と思想経験の歴史的な価値と意味とを我から抹殺して、一つの理想に対して脆く敗れた自身の懺悔と哀傷とを懺悔風に描いたところにある。日本の文化の歴史と、その中にある知識人というものの経歴は、西欧の伝統とはおのずから異った社会的特色をもって刻々現れるのであるが、当時これらの作品の作者たちは、そのような歴史の社会的な特質にまでつき入って時代の貴重な文学的主題を展開はさせ得なかった。あくまで個人の性格や事情と公的なものと観念化されていた一つの想念とを対立させて、そこで敗れた人間性や良心の課題の範囲で扱われたことも、日本の知識人の歴史の性格を雄弁に語っていることであった。しかも、当時一般の心理は、このような歴史的文学の題材とテーマに対しては極めて複雑にふれて行っていて、一定の経歴をもった作者たちが自身の傷敗の歌を痛ましげに呻けば呻くほど、人間性の流露としてそれを高く評価したい感情の傾きにおかれていたことは興味ふかく回想される。