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しょうわのじゅうよねんかん
昭和の十四年間
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《昭和の十四年間(しょうわのじゅうよねんかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 35,356 字 · 69 頁
そこでの現実の見聞をもって作品の細部を埋め、そのことであるリアリティーを創り出しつつ、こちらから携帯して行った諸問題を背負わせるにふさわしい人物を兵の中に捉え、全く観念の側から人間を動かして、結論的にはそれらの観念上の諸問題が人間の動物的な生存力の深みに吸い込まれてしまうという過程を語っているのであった。
人間の問題を生活の現実の中から捉えず、観念の中にみて、それで人間を支配しようとする傾向は、昭和初頭以後の文学に共通な一性格であるが、この作品には実に色濃くその特徴が滲み出していて、作者が自身の内面的モティーヴなしに意図の上でだけ作品の世界を支配してゆく創作態度が目立っている。
文学が自立性を失って、ほんとうの意味で作家の生活感情からの動機なしにつくられてゆくこの気風は、当時世相を蔽うた一種の息苦しい不安と結びついて、作家の動きに顕著な心理を現した。かつての純文学の作家・評論家が自己への信頼を失うとともに文学の外の強い力へ己を託した姿は先に触れた通りである。当時は、新しく登場した作家として「沃土」を書いた和田伝、「鶯」を発表した伊藤永之介等の作家があり、「あらがね」