輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(一)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 47,663 字 · 97 頁

青空文庫

「いっそおれは浪人する」と、高島は云い出した。彼のうしろにはお吉という女の影が付きまつわっていた。国へ追い返されると、もう彼女に逢えないというのを高島は恐れていた。しかし高島ほど根強い理由をもっていない梶井は、国へ返されるのを恐れながらも、さすがに思い切って浪人する気にもなれなかった。かれは独身者の高島と違って、故郷に母や兄や妹をもっていた。

「まあ、そんな短気を出すな」と、彼は高島をなだめていた。しかし今年の春になってから、高島はいよいよその決心を固めたらしく、毎朝屋敷を出るときに、自分の大事の手道具などを少しずつ抱え出して、お吉のもとへそっと運び込んでいるらしかった。そのうちに湯屋の亭主もだんだんに眼をつけ始めた。ここの亭主は岡っ引の手先であるということをお吉もささやいた。この際つまらない疑いなどを受けてはいよいよ面倒と思った彼は、もう落ち着いていられないような心持になって、女と相談してどこへか一緒に姿を隠したらしく、ゆうべは屋敷へ戻って来ないので、梶井も心配して今朝ここへ探しに来たのであった。

かたき討の理由も、駈落ちの理由も、それですっかり判った。