輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(五)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 頁

青空文庫

云おうとして云い得ないように、長五郎はいつまでも渋っていた。

五

その明くる日の朝、幸次郎が半七の家へ忙がしそうにはいって来た。

「お早うございます。早速ですが、ゆうべちっと変なことがありましてね」

「なんだ。馬鹿に早えな」

顔を洗ったばかりの半七が茶の間の長火鉢の前に坐り直すと、幸次郎は直ぐに話し始めた。

「実は庄太と手分けをして、わっしは築地の三河屋の近所に張り込んでいると、ゆうべのかれこれ四ツ(午後十時)頃でしたろう。あの船宿から頬かむりをして出て行く奴がある。小半町ばかり尾けて行って、本願寺橋の袂でだしぬけに『おい、兄い』と声をかけると、そいつはびっくりしたように振り返る。よく見ると、まんざら知らねえ奴でもねえ、深川の寅という野郎で……」

「深川の寅……。どんな奴だ」

「やっぱり船頭で、大島町の石置場の傍にいる寅吉という奴です。船頭といっても、博奕が半商売で、一つ間違えば伝馬町へくらい込むような奴で……。そいつが三河屋から出て来たから、こりゃあ詮議物だと思って、いろいろに膏を絞ってみたのですが、友達の千太をたずねて来たと云うばかりで、ほかにはなんにも云わねえのです。