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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(五)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 頁

青空文庫

「親分、妙な写真を見つけましたね」と、三五郎はあるきながら云った。

「これは蟹のお角という女だ」と、半七はふところから写真を出して見せた。「こいつがハリソンの家へ出入りしていようとは思わなかった。こんな奴が出這入りをして、素っ裸の写真なんぞを撮らせるようじゃあ、まだほかに何をしているか判らねえ。この一件にはお角が係り合っているらしい。それからシマダという奴……。多分、島に田を書くのだろう。こいつも何かの係り合いがありそうだ。おれは死骸を見ねえから、確かなことは云えねえが、ひたいに犬という字を書かれて大川へほうり込まれたのは、この島田という奴かも知れねえ」

「ハリソンの犬をむごく殺した奴は誰でしょうね」

「相手は犬だ、何もそんなにむごたらしく殺すにゃ当らねえ。何かその犬によっぽどの恨みがあると見える」と、半七は云った。「犬をなぶり殺しにした上に、島田の額には犬と書く……。この一件には犬が絡んでいるに相違ねえが……」

「去年の団子坂は狐使いでしたが、今度は犬ですね」と、松吉は口を出した。「四国にゃあ犬神使いというのがあるそうだが、そんな者が横浜まで出て来やあしますめえ」