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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(五)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 頁
どうも不思議の因縁ですね。しかしこのかたき討ちは、いつぞやお話し申した『青山の仇討』一件のような、怪しげなものじゃあありません」
わたしの手がそろそろ懐ろへはいるのを横眼に見ながら、半七老人は息つぎに煙草を一服すった。
「はは、あなたの閻魔帳がもう出る頃だと思っていましたよ」
老人は婆やを呼んでランプをつけさせた。雪は降り出さないが、表を通る鮒売りの声が師走の寒さを呼び出すような夕暮れである。
「しかし、きょうは煤掃きでお疲れじゃありませんか」と、わたしはまた躊躇した。
「なに、あなた、煤掃きと云ったところで、こんな猫のひたいのような家ですもの、疲れる程の事はありゃあしません。煤掃きを仕舞って、湯にはいって、そばを食って、もう用はありませんよ。まあ、例のお話でも始めましょう」
老人は元気よく話し出した。
「相変らずわたくしのお話は前置きが長くって御退屈かも知れませんが、いつもの癖だと思ってお聞き流しを願います。嘉永六年十二月はじめの寒い日でした。わたくしは四谷の知りびとをたずねる途中、麹町三丁目へまわって、例の助惣焼の店で手土産を買っていると、そこへ瓦版の読売が来ました。