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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(五)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 頁
いずれにしても、お熊が実家に留まっていないのは確かであると近所の人たちは話した。
江戸から誰かたずねて来た者はなかったかと訊きただすと、お熊がどこへか行った後、十月の初めに江戸から二人連れの男がたずねて来た。つづいてその月のなかば頃に一人の男がたずねて来て、宇兵衛の家にひと晩泊まって帰ったと云うのである。魚釣りや汐干狩のほかには、他国の人があまり交通をしない場所だけに、見馴れない人の姿はすぐに眼について、宇兵衛方へたずねて来た二度の旅びとを近所の人達はみな知っていた。
その人相や風俗を詮議すると、初めの二人づれは四谷の常陸屋の子分らが伝蔵とお熊のありかを探りに来たらしく、後の一人は伝蔵自身であるらしかった。
「ともかくも宇兵衛の家へ行ってみよう」
半七は先に立って歩き出すと、冬がれの田のあいだに小さい農家が見いだされた。門口には大きい枯れすすきの一叢が刈り取られずに残っていた。
四
すすきの蔭から覗くと、家の構えは小さいが、さのみに貧しい世帯とも見えないで、型ばかりの垣のなかにはかなりに広い空地を取っていた。葉のない猫柳の下に井戸があって、女房らしい二十四五の女が何か洗い物をしていた。