輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁

青空文庫

大勢の奴らが係り合っているらしいから、糸屑だけでお冬とも一途に決められねえ」と、吉五郎はまだ考えていた。「だが、まあ、今の話はこれだけにしよう。来たついでと云っちゃあ済まねえが、不動さまにお詣りをして別れようぜ」

二人は本堂の方へ足を向けた。

一二

親分と子分は不動堂の門前で別れて、留吉を乗せた駕籠は神田へ帰った。吉五郎は頬かむりをして音羽の大通りへ出ると、水引屋の市川屋の店さきに、子分の兼松が人待ち顔に腰をかけていた。彼は親分のすがたを見つけて、小走りに寄って来た。

「もし、面白いことがありそうですよ」

「むむ、どんなことだ」

兼松は振り返って小手招ぎをすると、店から職人の源蔵が出て来た。吉五郎に引き合わされて、彼は丁寧に会釈した。

「わたくしは市川屋の職人で源蔵と申します。なにぶんお見識り置きを……」

「わたしも今後よろしく願います。そこで、兼。この源蔵さんという人に何か手伝って貰うことでもあるのかえ」と、吉五郎は訊いた。

「実はね」と、兼松は声をひくめた。「この源蔵がゆうべ変なことを見たと云うんです」

「なにを見たね」

吉五郎は職人の方へ向き直ると、源蔵も小声で話し出した。