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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁
川へ流したか、それとも人の知らねえような所へ埋めてしまったか。源蔵の話じゃあ、二人の男が橋の方へ行ったらしいと云うから、ひょっとすると何かの重しでも付けて、江戸川の深いところへ沈めたかも知れねえ。日が経って浮き上がったにしても、死骸がもう腐ってしまえば人相は判らねえからな」
「そうですね。殺した奴は誰でしょう」
「おればかり責めるなよ。おめえもちっと考えろ」と、吉五郎はまた笑った。「殺されそうな女も三人あるが、殺しそうな男も三人ある。火の番の藤助と、黒沼の婿の幸之助と……。もう一人は寺の住職……。まず三人のうちらしいな。いや、往来でいつまでも立ち話をしているのは良くねえ。そこらで午飯でも食いながら相談するとしよう。留はあの様子じゃあ、まだ当分は思うように働かれめえ。おめえが名代にひと肌ぬいでくれ。頼むぜ」
「ようがす」
二人は連れ立って、そこらの小料理屋へあがると、時刻はもう午を過ぎているので、狭い二階には相客もなかった。縁側に寝ころんでいた猫は人の影をみて早々に逃げて行った。
「あんまり居ごころのいい家じゃあねえな」と、兼松はつぶやいた。
「まあ仕方がねえ。