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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁
余計な道草を食うことになると思ったが、半七らもよんどころなしに付いてゆくと、宗助は三人を近所の小料理屋の二階へ案内した。庄太に紹介されて、宗助は丁寧に挨拶した上に、飛んだ御迷惑をかけて相済みませんと繰り返して云った。
「実はね、親分」と、庄太は取りなし顔に云い出した。「今この番頭さんから頼まれた事があるのですが、お前さん、まあ聴いてやってくれませんか」
その尾について、宗助も云い出した。
「御迷惑でございましょうが、まあお聴きを願いたいのでございます。手前の主人のせがれ民次郎は当年二十二になりまして、若い者の事でございますから、少しは道楽もいたします。ところが、先月以来戸沢長屋のお葉という女が時々に店へ参りまして、若主人を呼び出して何か話して帰ります。それがどうも金の無心らしいので、手前もおかしく思って居りますと、おとといは見識らない男を連れて参りまして、相変らず若主人を表へ呼び出して、なにか強面に嚇かしていたようで、二人が帰ったあとで若主人は蒼い顔をして居りました。あまり不安心でございますから、手前は人のいない所へ若主人をそっと呼びまして、これは一体どういう事かといろいろに訊きましたが、若主人はその訳を打ち明けてくれませんで、唯ため息をついているばかりでございます。