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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《智恵の一太郎(ちえのいちたろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 頁
電燈の光や蝋燭の光も、太陽とは少しちがうが、やっぱりいろいろな色をふくんでいる。
さて、そこで、ちょっとそのへんを見まわしてごらん。我々のまわりには、実にいろいろな色のものがあるね。木の葉は緑色だ。むこうの西洋館は青くぬってある。雪は真白だ、板べいは真黒だ。君たちの頬っぺたは林檎のように赤くつやつやしている。
こういういろいろな物の色は、いったい何だろう。それはやっぱり太陽の光なんだよ。太陽の光が物にあたって、それが僕たちの目にはねかえって来るのだよ。
物によって太陽の光を吸いこんだり、はねかえしたりするやり方がちがうのだ。そのちがいが、さまざまの色になって、僕たちの目に入るのだよ。白く見えるものは、太陽の光にふくまれているいろいろな色を全部はねかえす。どの色も吸いこまない。だから太陽と似た白い色に見えるのだ。
むこうに見える西洋館には、青いペンキがぬってある。青いペンキはなぜ青く見えるか。それは太陽に光にふくまれている色のうち、青だけをはねかえして、ほかの色をみんな吸いこんでしまうからだ。
黄色でも赤でもそのとおり、太陽の光の中から黄色だけをはねかえすものが、黄色に見え、赤だけをはねかえものが赤く見える。