輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ダーク・ミニスター
暗黒公使
夢野 久作
線上閱讀夢野 久作《暗黒公使(ダーク・ミニスター)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,561 字 · 420 頁
私はそう気付くと同時にハッとした。そうして眼の前に空しく並んだ四つの皿をジイーと睨み付けた。
その時にボーイは横柄な態度で云った。
「さっき表を通った方が、貴方に渡してくれと云ったんです。……ですけど、ちょうどお寝みでしたから待っていたんです」
その言葉が終るか終らないかに私は椅子を蹴って立ち上った。ボーイはその剣幕に驚いて一寸後退りをしたが、魘えた眼付きをして私を見上げた。
「それはいつ頃だ」
「一時間……二時間ぐらい前です」
「どんな人間だ……」
「……よく……わかりません。俥の幌の中から差し出したんですから……けれども何でも若い女の方のようでした」
「何と云った」
「エ……?」
「そいつが何と云った」
「二階の窓のすぐ側の西側の隅っ子の卓子に灰色の外套を着て、腰をかけて居眠りをしている紳士の方に差上げてくれと……」
「それだけか」
「ハイ……」
私は窓の外を見た。私の姿は窓の外から見えないようになっている。
「俥の番号は記憶えているか」
「よくわかりませんでした」
「どっちへ行った」
「新橋の方へ……」
私は紫のハンカチを新聞紙と一緒に内ポケットへ突込んで、机の上に五十銭玉を五つ投げ出した。