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さいこにほんのじょせいせいかつのこんてい

最古日本の女性生活の根柢

折口 信夫

線上閱讀折口 信夫《最古日本の女性生活の根柢(さいこにほんのじょせいせいかつのこんてい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,493 字 · 19 頁

青空文庫

これも沖縄の民間伝承がこの説明に役立つ。首里市から陸上一里半海上一里半の東方にある久高島では、島の女のすべてが、一生涯の半は、神人として神祭りに与かる。大正の初めに島中の申し合せで自今廃止ということになって、若い男たちがほっとした結婚法がある。

婚礼の当夜、盃事がすむと同時に、花嫁は家を遁げ出て、森や神山(御嶽と言う)や岩窟などに匿れて、夜は姿も見せない。昼は公然と村に来て、嫁入り先の家の水壺を満たすために、井の水を頭に載せて搬んだりする。男は友だちを談うて、花嫁のありかをつきとめるために、顔色も青くなるまで尋ね廻る。もし、三日や四日で見つかると、前々から申し合せてあったものと見て、二人の間がらは、島人全体から疑われることになる。もちろん爪弾きをするのだ。長く隠れおおせたほど、結構な結婚と見なされる。「内間まか」と言い、職名外間祝女と言われている人などは、今年七十七八であるが、嫁入りの当時に、七十幾日隠れとおしたというが、これが頂上だそうである。夜、聟が嫁を捉えたとなると、髪束をひっつかんだり、随分手荒なことをして連れ戻る。女もできるだけの大声をあげて号泣する。