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つきのせかいたんけんき
月世界探険記
海野 十三
線上閱讀海野 十三《月世界探険記(つきのせかいたんけんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,351 字 · 29 頁
そして何喰わぬ顔をして、参加を申し出たのよ。それとも知らず、あたしが参加を許したりして……ああどうしましょう。もう地球へは戻れなくなったわ。ああ……」
四人は顔を見合わせて、深い絶望に陥った。
黄金階段を下る
さすがに艇長だけあって、蜂谷学士は決心を定めて顔をあげた。
「さあ、地球へ帰れないなんて、始めから決心していたことで、今更歎いても仕方がないことですよ。それよりも、こうなったら探険隊の仕事をすこしでもして置きたいと思いますが、どうです。私は例の階段を下に下りてみようと思うのです。何だかあの下には、生物が住んでいるような気がしてならないのです。さあ皆さん、元気を出して下さい」
艇長の言葉はよく分った。死ぬ覚悟さえつけば、何の恐るるところもない。そこで三人は負傷している佐々記者を担いで、黄金の階段の方へ引返していったのだった。
するとどうしたことだろう。さっきは誰もいなかったと思うのに、黄金階段の上には紛れもなく人間の形をした者が一人立っていて、しきりにこちらを見ていたが、やがて明瞭な日本語で、
「おお、そこにいるのは、妹のミドリではないか」
愕いたのはミドリだった。