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つきのせかいたんけんき
月世界探険記
海野 十三
線上閱讀海野 十三《月世界探険記(つきのせかいたんけんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,351 字 · 29 頁
「じゃ、皆さん、ご機嫌よう!」
弱々しいことの嫌いな進少年は、決然として窓に近づくと、エイッと懸け声もろとも艇外にとび出した。
「僕も一緒に行く。待って………」
呀ッという間もなく、つづいて窓外に飛び出したのは、進少年に助けられた恩のある佐々記者であった。それを見るより、艇長は素早く窓のところに身を寄せ、厳然と云い放った。
「この尊い犠牲を生かさねば、われわれの義務は果せませんぞオ。――さあ全員配置について、スピードをあげましょう。ここは丁度、恐ろしい無引力空間の近くです。油断は禁物!」
艇長の眼は湧いてくる泪で、何も見えなかった。
奇蹟中の奇蹟
進少年と佐々記者が、蜂谷艇長の指揮する宇宙艇よりも一日早く、無事に地球に到着したといったら、読者は信じるだろうか。いや全くの奇蹟中の奇蹟だった。わけを聞かないでは、誰も信じられないだろう。艇外は漠々たる宇宙だ。死なない者なんてあるだろうか。
ところがこの幸運の二人の場合は、その極めて稀な場合だったのである。二人が飛び出したところは、丁度例の無引力空間だったのである。その空間では身体が上へも下へも落ちはしない。