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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁
蘭丸つづいて平身低頭いたし『おそれながら、申上げます。御脇差は、欲しゅうござれど、私はお答えいたしませぬ』『なぜじゃ、わけをいえ』『はい私は、その紐の本数を、存じ居ります。実を申せば、お殿さま、厠に入らせられましたとき、私はお出を待つ間に、紐の本数を数え置きました。されば、私は存じ居るがゆえに、お答えすることをば憚ります』蘭丸は、仔細を物語って、平伏した。――どうだ、聞いているかね」
旅順戦の坑道
「ええ、聞いております。なかなか面白い浪花節的お話ですね」
「これからがいいところだ。よく聞いていなさい。――そこで信長公は、蘭丸の正直を非常にほめて、脇差を下し置かれた。実は信長公は、先ごろ厠に入っていて、蘭丸が脇差の紐の本数を数えているのを隙間から御覧になっていたのだ、そこで、わざとこういう質問を発して蘭丸の正直さをたしかめてごらんになったという話さ。どうだ、感心したか」
「感心しましたが、数値の上に立つというのは……」
「そこだよ。信長公は蘭丸が正直なのを褒めて、脇差を下し置かれたと、浪花節ではいっているが、それは嘘だと思う」
「嘘ですか。では……」
「僕は、嘘じゃないかと思う。