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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁
「おや、いやに赤いものが、流れてきたぞ。このあたりは赤土の層だというが、いくら赤土にしても、すこし赤すぎるようだが……」
と、一郎は、ふしぎそうに、自分の足許へ流れて来たその赤いものを見ていると、それが、ぴんぴんと跳ねだしたではないか。
「あれェ、赤土が、跳ねるなどということが、あるだろうか。赤土が、魚になったのかしら……」
と、一郎は、まだ気がつかない。
「ほう、金魚のようだぞ。地下金魚――なんてものが棲んでいるのだろうか」
一郎は、また顔をあげて天井を見たが、そのとき、大きな音がして、天井の土が、どしゃりとくずれた。
「あっ!」
と、一郎が、とびのくのと、天井に、ぽっかりと明るい窓があくのと、ほとんど同時であった。
「これは、へんだ。ひょっとすると……」
と思っているうちに、その天窓が急にくらくなったかと思うと、大きな黒い材木のような怪物が落ちてきた。そして、一郎の足許で猛烈にあばれだしたから、さあ、たいへんであった。一郎の顔も服も、泥水をぶっかけられて、目もあけていられない。跳ねている怪物は、目の下半メートルもあろうという大鯉だった。
天井から、奔流する水は、ものすごく、まるで天竜川のようであった。