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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁
庭へ、例の扇風機を改造したロータリー車を置いた。そして、かねて買い込んでおいた夜店用の防水電纜を、家の中から庭まで引張り、その端に、扇風機のプラグをさしこんだ。あとは、途中につけてあるスイッチをひねれば、このロータリー車は、雪を切るはずだった。
一郎は、もううれしくてうれしくて、ひとりでに、自分の顔が笑いだすので困ってしまった。
「さあ、ロータリー式地下戦車、進めッ!」
一郎は、そういって号令をかけると、スイッチを押した。すると、はたして、扇風機――ではないロータリー地下戦車は、まわりだした。雪は八方にとびちった。
「しめたしめた。これで、雪の中を前進すればいいんだ。機関車の代りに僕が押してみよう」
一郎は、ぶんぶん廻っているロータリー車のうしろを手でもって、積りつもって堤のようになっている雪の横腹へ、
「進め、進め!」
と、ロータリー車を押しつけた。
ぱちぱちぱち、ぴちぴちぴち。
ロータリー車は、そんな音をたてて、積った雪の中へ、まるまるとしたトンネルを掘るのであった。
「ああ、愉快だ。ああ、愉快だ」
他人が見たら、一向おもしろくないことを、一郎は、愉快でしようがないという風に見えた。